複数企業協業による新規サービス創出の伴走
- クライアント名:
- 中部電力ミライズ株式会社
- 実施時期:
- 2024.6〜2024.10
- 担当領域:
- サービス仮説構築・検証
ユーザー体験設計
事業成立性の検討
事業ロードマップの策定

複数企業協業による新規サービス創出の伴走
|中部電力ミライズ株式会社
中部電力グループの中核として電力小売事業を担う中部電力ミライズは、電力の安定供給にとどまらず、脱炭素社会の実現に向けた新たなエネルギーサービスの創出をミッションに掲げ、事業開発に取り組んでいます。
再生可能エネルギーの普及が進む一方、主力の太陽光発電は天候による発電量の変動があり、電力需給状況に応じて、電気契約者の皆さまに使用量を調整していただくデマンドレスポンス(DR)の仕組みづくりが急務とされていました。今回のプロジェクトでは、パナソニック社との協業により、家庭用冷蔵庫を活用したDRサービス「NACHARGE Link KADEN」の実現を目指し、電力会社・家電メーカーそれぞれの事業特性や制約を踏まえながら、電気契約者が"手間なく参加できる"サービス・体験設計と、環境貢献を実感できる仕組みづくりを支援しました。
クライアントの課題
- 複数のステークホルダーが存在する中で、ユーザー視点でサービスおよび体験を設計。より多くの電気契約者が参加できる・したくなるデマンドレスポンス(DR)サービスを提供したい
NEWhの提案
- 想定ユーザーのペルソナとサービス加入から利用までの体験の仮説を構築。外部調査による検証を経て、提供すべき機能と体験を設計
- UXにおいては、"手間なく参加できる"をコンセプトに、引き算思考でユーザー動線を限りなくシンプルに。加えて環境貢献が実感しやすいUIを設計する
実施結果
プロジェクト関係者および想定ユーザーへのヒアリングをもとに、本サービスの加入〜利用における重要課題を特定。
・加入プロセスの簡易化(対応家電さえあれば誰でも手軽に参加できる)
・貢献の可視化と報酬設計(環境貢献とポイント獲得の手応え)
"手間なく参加できる"を体現する最適なユーザー体験を検討するとともに、サービスサイトや加入動線等の情報設計を行なった。
同時並行で、本サービスの「事業成立性」の検討も支援。初期〜中期の収益性を算出し、本サービス単体の事業性を検証。サービスの提供方法やユーザー報酬に反映した。
また、冷蔵庫以外の機器展開も含めた、家電DR事業の将来構想を検討し、3ヵ年のロードマップにまとめた。

TEAM


NEWh's EYE
チームとしてのチャレンジ・
得られた知見
Project Designer:
木下

日本初の試みで前例がなく、電力会社と家電メーカー、それぞれの事業特性や制約を前提に、より多くの電気契約者の皆さまに参加いただける仕組みを設計する、難易度の高いプロジェクトでした。
環境に良いことはしたい。でも、日々の暮らしが優先で、手間のかかることは始められない。そんな多くの人の現実を前に、プロジェクトチームとして「エコバッグを持つくらいの気軽さで参加してもらうには?」という問いを持ち続け、サービス全体の設計からUX/UIの細部まで落とし込んでいきました。仮説と検証を重ねてたどり着いた答えを、サービスとして形にできたことは、個人としても感慨深いです。
最後まで一緒に悩み、議論してくださったミライズ様の皆さまに感謝するとともに、今後の家電DRの広がりを楽しみにしています。
Service Designer:
酒井

「再エネを上手に使うための仕組みであるDRを、どう社会に根付かせていくか」という長期的な目線と、「いまのお客さまにどうすれば実際に参加していただけるか」という足元の目線。このプロジェクトでは、調査の結果と事業の数字を拠り所に、その二つの間で一つずつ折り合いをつけていきました。
理想とするサービスの姿を描きつつ、決められた期日の中で実装に落とし込んでいく。そのバランスを取り続けられたのは、ミライズ様が社内の実情をそのまま共有してくださり、何を先に形にするかを一緒に判断できたからだと感じています。
提案する側と受ける側ではなく、一つのチームとして最後までやり切れたことを何よりうれしく思います。その進め方はいまも変わらず、定期的にNACHARGEのこれからを一緒に考えながら、目の前の施策を形にし続けています。
Service Designer:
吉川

メーカーのインハウスデザイナーだった私は、つくる側が大切にしていることや抱えている制約を肌で知っていました。調査設計やサービスサイトのUX/UIなどに伴走するなかでは、「家電としての機能がきちんと守られることが、使う人に伝わっているか」という、パナソニック社の目線を持ち込みながら検討を重ねました。
使う人は環境のために行動するのか、お得だから行動するのか。その本音もメンバーと掘り下げ、電力会社、メーカー、使う人の立場を行き来しながら、画面や言葉に落とし込んでいきました。電力市場に関する初歩的な問いにも丁寧に向き合ってくださったミライズの皆さまに、心より感謝しています。
電気に詳しくない人でも、暮らしのなかで自然とDRに参加し、いつのまにか皆でよりよい未来に向かっている。そんな光景を、このサービスがつくっていくと信じています。
Client Review
お客様の声
中部電力ミライズ株式会社
サステナブル社会推進本部
エネルギープラットフォーム構築部長
高橋様
振り返ると、NEWhさんに伴走していただきながら、サービス仮説を議論し、お客さまが得られる体験を初期に定義したことが、後のサイト&プロモーション設計に大きく寄与したと感じています。これは丁寧に時間をかけて行いました。遅延なく、また、タスクを漏らすことなく仮説をサービスに反映していくのは大変な苦労がありましたが、本プロジェクト推進においては、ロードマップ策定と優先タスクの洗い出し、その進捗管理もNEWhさんにご支援いただけたため、弊社は各過程で生ずる課題の解決にリソースを集中でき、スケジュールどおりゴールにたどり着けたと思っています。
中部電力ミライズ株式会社
サステナブル社会推進本部
エネルギープラットフォーム構築部
猪飼様
NEWhさんとのプロジェクトでは、サービスアイデアの創出以上に、「どうすれば実際に事業として前へ進められるか」を一緒に考えていただけたことが最も価値のある支援だったと感じています。
事業化に向けては、お客さまへの提供価値の整理だけでなく、社内関係者との合意形成、サービス運営方法の検討、システム開発との接続など、さまざまな観点から検討を進める必要がありました。実際には当初想定していなかった課題も数多く発生しましたが、その都度、理想論ではなく当社の実情に即した形で論点を整理いただき、具体的な解決策へ落とし込むことができました。
事業開発は構想を描くこと以上に、それを継続的に運営し、お客さまへ価値を届け続けることが難しいと感じています。本プロジェクトでは、サービスの方向性だけでなく、事業を前進させるための考え方や進め方を整理できたことで、現在の取り組みの基盤をつくることができました。